#個人開発
全 37 件- 約 3 分
机の上に、操作卓が欲しかった ── 現像ノート Season 6、STIL.HUB
配信者の机にある、ボタンがずらりと並んだ小さな機械。あれが、ずっと少しうらやましかった。よく使う操作が、物理ボタンのように手元に並んでいる。ふと気づくと、私の机の上には、もう iPhone が置いてありました。現像ノート Season 6 は、iPhone を Mac の手元の操作卓にするアプリ、STIL.HUB の話です。
- 約 3 分
英語が混ざると、崩れた ── 同じ話を、二度聞く
日本語の実況は、ちゃんと文字になる。ところが、英語のコメントが始まった途端、文字起こしが「Wel actaltlysputure…」という、英語のようで英語でない文字列に崩れました。文字起こしのモデルは、一度にひとつの言語しか聞けません。それなら ── 同じ音声を、二人に聞かせることにしました。
- 約 3 分
話は、録り直せない ── 現像ノート Season 5、声の STIL.NOTE
メモを取ると、話が聞けない。話を聞くと、メモが残らない。打ち合わせのたびに、その間で行ったり来たりしていました。写真とちがって、話は録り直せません。現像ノート Season 5 は、声のアプリ STIL.NOTE の話を、まずはなぜ作ったのか、から。
- 約 3 分
「ok」は、開いたの証明にならない ── 開かない PDF を追う
iPhone から Mac のファイルを開く。実行すると、ログには「ok」。でも、Mac の画面では、何も起きていない。犯人探しは、思わぬところに行き着きました ── 十四日間つけっぱなしだった、一枚のアプリ。そして本当の反省は、犯人ではなく、「ok」の側にありました。
- 約 3 分
同じ部屋でしか、話さない ── 六桁の合言葉
これまでの家族は「あなたのデータを外に出さない」道具でした。STIL.HUB は逆向きの怖さを持っています。この道具は、Mac を操作できてしまう。だから今回は「出さない」だけでは足りず、「入って来させない」を設計する必要がありました。六桁の合言葉と、部屋の外に出ない通信の話です。
- 約 3 分
要約の前に、保存する ── 15 分を、失ってから
15 分の録音が、消えました。停止を押して、要約を待つあいだにホームへ戻った。それだけです。原因は、パイプラインの最後に保存を置いていた、私の設計でした。話は録り直せない、と最初に書きました。その言葉に、自分の設計が追いついていなかった話です。
- 約 3 分
iPhone で話して、Mac で打つ ── 頼むのを、やめた
手元のボタンひとつで、Mac の音声入力を立ち上げたい。最初の計画は、それだけでした。ところが、どう頼んでも Mac は聞いてくれない。粘った末に、頼むのをやめました。Mac に聞かせるのではなく、iPhone が聞けばいい。回り道の先に、このアプリでいちばん気に入っている機能ができた話です。
- 約 3 分
「はい。」が、会議になった ── 要約に、作らせない
「はい。」とだけ言って止めた録音に、決定事項と TODO の並んだ会議の要約が、丸ごと付いていました。14 分の対談を要約させれば「決定 28 件」── 実際は 0 件です。AI はまた、聞いた以上のことを言っていました。直したのは、モデルではなく、頼み方のほうでした。
- 約 3 分
その名前は、貼り紙だった ── 話者識別を、作り直す
声を登録しておくと、その人の発言に名前が付く ── そういう機能のはずでした。ところが、登録していない人の録音に、登録した名前が付く。調べていくと、モデルの中に「声を照合する仕組み」がそもそも存在しないことが分かりました。名前は、席に貼った貼り紙にすぎなかった。この連載でいちばん驚いた話です。
- 約 4 分
iPhone が、手元の操作卓になるまで ── 六つ目の道具と、現像ノート Season 6 のおわり
相棒を Mac に住まわせて、六桁の合言葉を交わして、ボタンを並べる。ここまで一話ずつ書いてきた中身が、机の上の二台のあいだで、ひとつながりになります。最後に、その流れを最初から最後までたどって、この家族で初めての「無料」の話をして、現像ノート Season 6 を閉じます。
- 約 4 分
話が、ノートになるまで ── 五つ目の道具と、現像ノート Season 5 のおわり
録って、書き起こして、分けて、整えて、書き出す。ここまで一話ずつ書いてきた中身が、ひとつの録音の上で、ひとつながりになります。最後に、その流れを最初から最後までたどりながら、五つ目の道具を作って思ったことを書いて、現像ノート Season 5 を閉じます。
- 約 3 分
「iPhone を、」と書けなかった ── 言葉を、探して回る
最初のサブタイトルは「iPhone を、Mac の操作盤に。」でした。審査の指摘は、この iPhone の使い方。言葉を差し替えるだけ ── のはずが、同じ言葉は、サイトの見出しにも、SNS 用の画像にも、審査用に撮った動画の冒頭にも住んでいました。言葉を変えるとは、一箇所を直すことではなかった、という話です。
- 約 3 分
確定申告のために、自分で作った ── 現像ノート Season 4、レシートの STIL.RECEIPT
毎年、確定申告の時期になると、引き出しや財布に溜まったレシートの山と格闘していました。日付、金額、店、税率を、一枚ずつ手で打つか、放っておいて後で泣くか。いちばん困っていたのは、私自身でした。現像ノート Season 4、レシートのアプリ STIL.RECEIPT の話を、まずはなぜ作ったのか、から。
- 約 3 分
実機で出たバグは、テストにする ── 一枚のレシートが、見張りになる
値引きの行が、まるごと消える。iD で払ったのに、現金で記録される。レシートのように種類が無限にあるものは、一枚直すたびに、別の一枚を壊しているかもしれません。だから私は、実機でつまずいたレシートを、その場でテストに変えることにしました。困らせてくれた一枚が、そのまま見張りになる、という話です。
- 約 3 分
レシートは、名刺より読みにくい ── 表は、二行に分かれる
レシートの明細は、左に品名、右に金額が並びます。人の目には、ちゃんと一行に見える。でも、文字認識は、その品名と金額を、別々の断片として返してくることがありました。一行に見えていたものが、二行に分かれる ── このアプリで、いちばん手こずったのは、その「表」でした。
- 約 3 分
レシートが、経費になるまで ── 四つ目の道具と、現像ノート Season 4 のおわり
撮って、読んで、振り分けて、確かめて、経費にする。ここまで一つずつ書いてきた中身が、一枚のレシートの上で、ひとつながりになります。最後に、その流れを最初から最後までたどりながら、四つ目の道具を作って思ったことを書いて、現像ノート Season 4 を閉じます。
- 約 3 分
合計だけは、嘘をつかない ── 税の取り違えを、数学で直す
「10%対象」の欄に、対象の金額ではなく、消費税額のほうが入ってしまう。AI も、ルールも、似た数字が並ぶと取り違える。しかも厄介なことに、間違えた数字は、レシートのどこかに本当に存在する。それを救ってくれたのは、賢い読み手ではなく、一つの動かない事実 ── 合計でした。
- 約 3 分
「対応」とは、書かないと決めた ── 税の、言葉づかい
「インボイス完全対応」「電帳法に完全対応」── 一言で書けたら、たぶん強い。分かりやすいし、目を引く。でも、私は書きませんでした。税は法律で、私はアプリを作る人間であって、税理士ではないからです。便利な一言を、こらえる。そういう、言葉づかいの話です。
- 約 3 分
名刺は、クラウドに上げたくなかった ── 現像ノート Season 3、四本目の STIL.BIZ
名刺入れの中身は、よく考えると自分のものではありません。もらった人の名前、会社、電話、メール ── 全部、他人の個人情報です。便利だからとそれをサーバーに上げることに、私はずっと引っかかっていました。現像ノート Season 3、四本目のアプリ STIL.BIZ の話を、まずはなぜ作ったのか、から。
- 約 4 分
顔を隠さずに、隠す ── 現像ノート Season 2、二つ目のアプリ STIL.TOON
撮れた一瞬の熱量を、そのまま誰かに渡したい。でも今は、顔を出すことに少し気をつかう時代です。自分の家族はよくても、隣に写り込んだ人の顔まで、私の一存で世界に出していいのかは分からない。── 現像ノート、Season 2。二つ目のアプリ STIL.TOON の話を、まずはなぜ作ったのか、から。
- 約 4 分
iPhone が、顔を絵にする ── 見つけるのは Vision、描くのは Apple Intelligence
前回、STIL.TOON は顔を「消さずに描き換える」と書きました。では、どうやって顔を見つけて、どうやって絵にしているのか。見つけるのは Apple の Vision、描くのは Apple Intelligence です。そして、いちばん最初に私がつまずいたのは、道具を思い込みで呼んでいたことでした。
- 約 3 分
五枚目で、固まった ── デバッグが、仕様を変えるまで
仕組みは整いました。でも、名刺を何枚も続けて撮ると、五枚目あたりで画面が固まる。重い処理を逃がし、メモリを削り ── どちらも正しい改善でした。けれど本当の出口は、その先にありました。バグを追っていたら、いつのまにか、アプリの撮り方そのものを作り替えていたのです。
- 約 3 分
一週間で、店に並んだ ── 二つ目を世に出すための、地味な手続き
STIL.TOON は、キックオフから一週間で App Store に並びました。けれど、最後に審査を止めたのは、コードのバグではありませんでした。銀行口座と、税の書類と、契約への署名 ── アプリを世に出すのに、デジタルじゃない準備が要る、という話です。現像ノート Season 2、最終話。
- 約 3 分
AI の当落線の、向こうにも ── 全部の iPhone で動かすために
撮った名刺を読んで、氏名や会社に振り分ける ── ここは、Apple Intelligence にやらせています。でも、その AI は新しい iPhone でしか動きません。最初は「対応端末だけのアプリにしよう」と考えました。でも、その線で切ると、届かない人が多すぎた。だから私は、AI が動かない側にも、同じ体験を届けることにしました。
- 約 3 分
誰も来ないうちに、作り直した ── 二つ目のアプリと、家族で動くということ
STIL.TOON も、出した直後にアカウントの仕組みごと作り直しました。まだ誰もほとんど使っていないうちに。きれいに作り直せるのは、実ユーザーがつく前の今しかない ── そしてこれは、TOON ひとつの判断ではなく、家族そろっての方向転換でした。
- 約 4 分
背景が、二重になった ── 公開 API だけで、顔を切り抜くまで
顔を絵にするところまでは、できました。問題は、その絵を元の写真に戻すこと。顔だけが入れ替わって、背景も服も元のまま ── そう簡単にはいきませんでした。背景が二重になり、二度行き止まりにぶつかり、それでも Apple の公開 API だけで切り抜けた、ある一日の記録です。
- 約 3 分
「ピントが甘い」を、やめた ── 暫定値を、直視する
読めるはずの名刺が、ときどき「ピントが甘いようです」と弾かれる。原因をたどると、文字認識の手前に置いた関所と、そこに立ったままになっていた一つの数字に行き当たりました。「暫定値・実機で調整すること」── そう注記されたまま、ずっと放っておかれた数字です。
- 約 3 分
カメラは、作らなかった ── VisionKit に任せた話
名刺アプリの心臓は、撮るところです。だから私は、いちばん難しいのは「きれいに取り込む」ことだと思っていました。傾きを直し、影を消し、明るさを揃える ── そのための専用カメラを作る覚悟もしていました。でも、作りませんでした。iPhone が、もうそれを持っていたからです。
- 約 3 分
名刺が、連絡先になるまで ── 四本目の道具と、現像ノート Season 3 のおわり
撮って、読んで、振り分けて、連絡先にする。ここまで一つずつ書いてきた中身が、一枚の名刺の上で、ひとつながりになります。最後に、その流れを最初から最後までたどりながら、四本目の道具を作って思ったことを書いて、現像ノート Season 3 を閉じます。
- 約 3 分
透かしは、制限であり、広告でもある ── 無料を出し惜しまない理由
AI を全員無料にしたら、どこで Pro になるのか。STIL.TOON の答えは、書き出しに入る小さな透かしです。透かしは課金への入り口であると同時に、無料ユーザーの一枚が広がるたびに、こちらの名前も一緒に旅をする ── 損失ではなく、獲得チャネルでした。
- 約 4 分
データを、預からないと決めた ── 会員登録そのものを、なくした話
STIL. には、会員登録がありません。メールアドレスも、パスワードも聞きません。便利だからではなく、「あなたの素材を預からない」と決めたからです。アカウントを捨てると何が起きるのか、それでもアプリはどう成り立つのか ── 連載「現像ノート」、2 枚目はプライバシーの話を。
- 約 3 分
ひとりで、ぜんぶやる ── 個人開発と、AI という相棒
STIL. は、企画も、設計も、デザインも、コードも、コピーも、ひとりで作っています。なぜ人に任せず、ひとりでやるのか。そして、ひとりでは到底回らない量を、どうやって回しているのか ── 連載「現像ノート」、6 枚目は、作り手の働き方の話です。
- 約 3 分
一本のアプリから、家族になるまで ── Season 1 のおわりに
動画から一枚を取り出すアプリとして始まった STIL. は、いま少しずつ「家族」になりつつあります。顔をイラストにする弟、名刺を整理する弟。増えていくのは、機能ではなく、同じ一つの約束です ── 連載「現像ノート」、Season 1 の締めくくり。
- 約 3 分
iPhone は、どのフレームが「良い」と分かるのか ── ベストフレーム抽出の中身
動画を渡すと、STIL. は何百枚ものコマから「写真として成立する一枚」を選び出します。では、iPhone は何を見て「良い」と判断しているのか。ブレ・顔・注目度の三つの目で測る仕組みを、なるべく平易にのぞいてみます ── 連載「現像ノート」、4 枚目。
- 約 3 分
フィルムの色は、私の偏愛でできている ── 8 つのフィルムルックの話
STIL. に入っているフィルムの色は、市場調査で選んだものではありません。私が実際に好きで、追いかけてきた色です。Portra のやわらかさ、Cinestill の夜、VHS の 90 年代。機能というより、偏愛の結晶 ── 連載「現像ノート」、3 枚目はフィルムルックの話を。
- 約 4 分
撮り逃した一瞬は、まだ動画のなかにいる ── 「現像ノート」をはじめます
いちばんいい表情は、たいていシャッターの合間に逃げていきます。でも、動画で撮っていたなら、その一瞬はまだそこに残っている。── 私が作っているアプリ STIL. の話を、今日からもう一つの連載として書いていきます。最初の一枚は、なぜこれを作ったのか、という話から。
- 約 3 分
3 回落ちて、4 回目で通った ── App Store 審査の記録
STIL. は、App Store の審査に 3 回落ちました。権限、課金、そして最後はアプリそのものの堅牢性。落ちるたびに少ししょげて、原因を直して、また出す。4 回目でようやく通るまでの、いちばん泥くさい記録です ── 連載「現像ノート」、5 枚目。